この縁談、謹んでお断りいたします〜身代わりお見合いのはずが、冷徹御曹司の運命の花嫁になりました
 お見合いといったら両家の両親も揃っているもの。帆奈美がその場に身代わりでいるのは無理だ。

 「それなら大丈夫。堅苦しくならないようにって、最初はお相手とふたりきりで会うだけだから」

 愛理が帆奈美の疑問を簡単に解消する。

 「いや、だけど……」

 だからと言って、じゃあ大丈夫だね!とならないのは当然だろう。
 そんな大それたことをして平気とは思えない。なにしろ会社の命運がかかっている。

 「私が断るのはご法度だと思うけど、相手から断られれば、さすがにお父さんも納得するしかないでしょう?」
 「それはそうかもしれないけど……。でもそれなら、愛理が自分で彼に会って断られるようにしたらどう?」

 代役がバレるリスクを考えたら、そのほうが断然いい。
 ところがその提案に、愛理は首を横に振った。

 「お見合いに行くなんて彼に言えないし言いたくない」
 「黙っていれば大丈夫じゃない?」
 「嘘をついて、ほかの男の人とふたりきりで会いたくないの」

 潔癖とも言える愛理の恋心ならよく知っている。それがお見合いならなおさらか、とも思う。
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