この縁談、謹んでお断りいたします〜身代わりお見合いのはずが、冷徹御曹司の運命の花嫁になりました
心臓がどくんと大きく鳴る。
「あなたは? 少しも楽しくなかったですか」
宏臣は静かに問いかけた。
「そ、それは……」
言葉が喉の奥で引っかかった。否定しようと思うのに、頭の中に浮かんでくる光景がそうさせてくれない。
「……楽しかった、です」
「では、推しより上にいけるか、ぜひとも試してみたいですね」
「な、なにを言ってるんですか」
(この人、本当におかしい)
「とにかくダメなんです。楽しかったのは本当ですけど、だからって結婚なんて――」
そこまで言ったところで、言葉を止める。宏臣の表情が変わっていたのだ。さっきまでの穏やかな空気が、すっと引いている。
静かにこちらを見ていた彼が、ゆっくり一歩踏み出した。ビルの外壁に片手を突き、帆奈美を見下ろす。
(な、なに……?)
逸らすこともできない鋭い眼差しを向けられ、息を呑んだ。
「逃げられると思ってる?」
「あなたは? 少しも楽しくなかったですか」
宏臣は静かに問いかけた。
「そ、それは……」
言葉が喉の奥で引っかかった。否定しようと思うのに、頭の中に浮かんでくる光景がそうさせてくれない。
「……楽しかった、です」
「では、推しより上にいけるか、ぜひとも試してみたいですね」
「な、なにを言ってるんですか」
(この人、本当におかしい)
「とにかくダメなんです。楽しかったのは本当ですけど、だからって結婚なんて――」
そこまで言ったところで、言葉を止める。宏臣の表情が変わっていたのだ。さっきまでの穏やかな空気が、すっと引いている。
静かにこちらを見ていた彼が、ゆっくり一歩踏み出した。ビルの外壁に片手を突き、帆奈美を見下ろす。
(な、なに……?)
逸らすこともできない鋭い眼差しを向けられ、息を呑んだ。
「逃げられると思ってる?」