この縁談、謹んでお断りいたします〜身代わりお見合いのはずが、冷徹御曹司の運命の花嫁になりました
もしも万が一その事実が耳に入ったら、彼は身を引こうとするかもしれない。じつはこれまでも住む世界が違うという理由で、何度か彼から別れを切りだされたことがあるのだ。
「さっき、私の頼み事はなんでも聞くって言ってくれたよね?」
テーブルに身を乗り出し、帆奈美に迫る。
そこを突かれると反論の余地もない。舌の根も乾かないうちに〝言ってない〟は通用しないだろう。
しかし、そこでハッとする。
(あれ? ちょっと待って)
もしかして最初から仕組まれていたのではないかという疑惑が、不意に脳裏を過った。喉から手が出るほど欲しがっていたチケットをプレゼントして、帆奈美が断れない状況を作ったのではないか。
「……ねぇ、愛理、そのためにチケットを私に」
愛理は一瞬目を泳がせたが、ぶんぶんと頭を横に振る。
「ううん、そんなつもりは全然なかったよ? ただ帆奈美ちゃんを喜ばせたかっただけ」
愛理がそう言うなら信じるけれども。
「でも、やっぱり無理よね。帆奈美ちゃんにお見合いの代役をお願いするなんて、私もどうかしてるわ。今のはナシで大丈夫。自分でなんとかするね」
「さっき、私の頼み事はなんでも聞くって言ってくれたよね?」
テーブルに身を乗り出し、帆奈美に迫る。
そこを突かれると反論の余地もない。舌の根も乾かないうちに〝言ってない〟は通用しないだろう。
しかし、そこでハッとする。
(あれ? ちょっと待って)
もしかして最初から仕組まれていたのではないかという疑惑が、不意に脳裏を過った。喉から手が出るほど欲しがっていたチケットをプレゼントして、帆奈美が断れない状況を作ったのではないか。
「……ねぇ、愛理、そのためにチケットを私に」
愛理は一瞬目を泳がせたが、ぶんぶんと頭を横に振る。
「ううん、そんなつもりは全然なかったよ? ただ帆奈美ちゃんを喜ばせたかっただけ」
愛理がそう言うなら信じるけれども。
「でも、やっぱり無理よね。帆奈美ちゃんにお見合いの代役をお願いするなんて、私もどうかしてるわ。今のはナシで大丈夫。自分でなんとかするね」