この縁談、謹んでお断りいたします〜身代わりお見合いのはずが、冷徹御曹司の運命の花嫁になりました
 (なんでこんなことまで話してるの)

 普段なら、自分から家族の話なんてしない。聞かれたとしても、当たり障りのないことだけ答えるはずなのに。

 「妹いるんだ」

 自然な流れで問いが返ってくる。

 「はい。すごく要領がよくて甘え上手で」

 止めようと思うのに言葉が続く。

 「だから気づいたらフォローする側に回ってることが多いんです」

 自分でも驚くくらい、するすると出てくる。
 宏臣は口を挟まず、ただ静かに聞いている。
 あのときと同じだ。推しの話をしていたときみたいに途中で遮られることも、否定されることもない。

 「それが嫌ってわけじゃないんですけど、大丈夫な人って思われてることが多くて。まぁ、実際だいたい大丈夫なんですけど」

 いつものように軽くまとめようとした、そのとき。

 「大丈夫じゃないときもあるだろ」

 宏臣がそっと口を挟んだ。

 「……あります。でも、わざわざ言うほどでもないというか」
 「言えばいいだろ」
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