この縁談、謹んでお断りいたします〜身代わりお見合いのはずが、冷徹御曹司の運命の花嫁になりました
 《ちょっと待って意味がわからない! だって帆奈美ちゃん、結婚する気ないですアピール、めちゃくちゃしてたよね!?》
 「うん、全力で」
 《なのに!?》
 「なのに!」

 ふたりして叫んで、しばらく無言になる。
 冷静に考えようとしても、どう考えてもおかしい。

 《それってさ……》

 愛理が恐る恐る切りだす。

 《帆奈美ちゃんのこと、気に入ったってこと……?》
 「そう言ってた」
 《なにそれ、普通にすごくない?》
 「相手誰だと思ってるの。東城コンツェルンの御曹司だよ!?」

 住む世界違いすぎるにもほどがある。

 《でも帆奈美ちゃん、楽しそうに話したみたいじゃない?》
 「楽しかったのは本当だけど、だからって現実的じゃないでしょ。身代わりだし、そもそも最初から間違ってる関係なんだから」
 《うーん……》

 電話の向こうで愛理が考え込む気配がする。

 《……でもさ、そのまま流れで断れたんじゃないの?》
 「断ったよ。ちゃんと」
 《ちゃんと?》
 「ちゃんと……したはず」
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