婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】
ルリを待ちながら、池を眺めているとあることに気がついた。
あれれ?ギル様どうしたのかな?
私は、池の中でまだ動かないでいるギル様を見つけると、ゆっくりと近づき、私は笑顔で手を差し伸べた。
「ギル様!風邪ひいちゃいますよ!お手をどうぞ!」
───リリィのせいでギルは、びしょ濡れだと言うのに、そんな事はもう忘れているリリィはキラキラとした笑顔で手を差し伸べる。
ギルは、目の前で起こった全てのことに驚きを隠せないでいる。
「…あ、あぁ、ありがとう」
「どーいたしましてっ!」
ギルの目の前で笑うリリィは、下着姿でびしょ濡れ、そして酷く汚れていて顔なんてよく分からない。
この世は、常に美しく着飾り何を考えているか分からない笑顔を浮かべる令嬢ばかり。
そして、それはギルも同じだった。
リリィは自分の姿なんて気にもせず、キラキラと輝く笑顔は、まっすぐで純粋な笑顔だった。
ギルは、名前も顔をよく分からないリリィに今まで感じたことがないほどに、胸が高鳴っていた。
──そしてこの後、事情を知ったルリは、リリィが着替えている間に、ギルの元へ向かうと死ぬほど謝ったのだった。