婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】
アルside
俺は今、目の前の光景に驚いている。
顔を真っ赤にしたリオが、突然部屋を飛び出していった。
顔を赤くすることは何度か見てきたけど……こんな事今まであっただろうか……?
ギルはリオが逃げ出した方向を見て、それはそれはとても楽しげに、そして愛おしそうに笑っている。
そんな様子に胸が焦りと不快感に襲われた。
……二人の様子がおかしい……。
嫌な不快感を感じながら、冷静を装ってギルに軽く釘を刺す。
「……ギル、男相手に何をしてるんだ?やりすぎじゃない?顔を真っ赤に逃げてしまったよ?」
ギルは俺に振り返ると、ふっと笑う。
「関係ないだろう?リオは俺のものだ」
当然のように言い放たれたその言葉に、俺は少しだけ苛立った。
「へぇ……ギルにはリリィ嬢という、最愛の婚約者がいるはずだよね?それなのに、男相手に何を言ってるの?」
婚約者が大好きなギルは、俺の挑発的な言葉で引き下がると思っていた。
けれど、ギルは焦ることなく余裕たっぷりに笑う。