婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】
「あぁ……そうだな。リオもリリィもどちらも俺のものだ」
「……っ?!」
ギルのやつ、何を言ってるんだ?
ギルのその言葉に胸がザワザワと激しい不快感が走る。そして、一つの答えにたどり着く。
つまり……ギルは気づいている?
俺だけが、知っていると思っていたのに……ギルのやつ、いつの間に?
さっきのリオの様子を見ると……、リオの気持ちもギルに傾きつつある。
焦る気持ちを抑えるように、いつも通りの笑顔を貼り付ける。
「そんなに強欲だと、いつか大切なリリィ嬢に逃げられてしまうよ」
「逃がすわけがないだろう?」
「そう……」
最後まで余裕が崩れず楽しそうに笑うギルに、苛立った俺は立ち上がると部屋をあとにした。
胸の中にうずまくこの感情は……、嫉妬だ。
苛立つ俺はリオの姿をおって屋敷の廊下を歩き出した。