婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】
すると、驚く私の腰を引き寄せるギル様は私に追い打ちをかけるように甘く囁く。
「俺がこんなにも可愛いらしいお前を逃がすとでも思ったか?」
とても綺麗な顔で笑う彼は、ものすごく嬉しそうに、そしてとても愛おしそうに私を見つめてくるのだった。
───その後、あまりの衝撃にどうやって屋敷に戻ったのか覚えていない。
だけれど、両親はこの事を知っていて、とても嬉しそうにしていた。
「リリィ!!あのギル様と婚約だ!!よかったなぁっ!!おめでとう!!」
と、両親は手を合わせて泣きながら喜ぶのだった。
私の知らないところで、ギル様は私に婚約を申し出る手紙を出していた。
何を思ったのか両親は、あの社交界で人気高いギル様からの婚約ならリリィもとても喜ぶだろうと、私のことを思って婚約を引き受けていたらしい……。
そして……それだけで終わらないのがあの男だった。ギル様は私にとって最悪な提案を両親にしていた。