婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】
そして、私のドレスや髪の毛をささっと綺麗になおしてくれる。
「できましたよ、お嬢様」
「えへへ…ごめんね?さてと、ルリっ!!今日も沢山食べようねっ!なんだか眠ったらお腹すいてきちゃったかも〜っ!楽しみね〜っ!」
満面の笑みで笑う私にルリは呆れながらも微笑む。
「そうですね。では、行きましょうか」
二人で馬車を降り、会場に入ると中はとても煌びやかでたくさんの令嬢たちがお淑やかに楽しく談笑している。
だけど、私はその輪には入らない。
この世界では、社交の場は避けては通れないからこうやって仕方なく来るけれど、社交の場では、婚約者探しをしている人も多い。
結婚なんてしたくない私はいつも目立たないようにこそこそと別の場所に移動する。
今日もいつものようにひっそりと過ごす。
ルリにおやつを持ってくるように頼んでいつもの特等席。二階のテラスに向かった。
一人になった私は、綺麗な庭園の深い池を見ながら私は前世の記憶を思い出す――…
私が前世で付き合ってた男はすごく最悪だったの。モラハラDV男だ。
付き合うまでは本当に優しかったのに、付き合ってから彼は死ぬほど豹変した。
本当に最悪だった。
彼の顔色を伺って生活する日々は、苦しくて辛かった。反抗したこともあったけどもちろん私は殴られた。
心も体もボロボロになった私は疲弊し、いつの間にか逝ってしまった。