目と口は同じぐらいにものを言う

「美味し…!やっぱり千夏の作るハンバーグが世界一!」

 さっきまでエネルギー切れを起こしていた男とは思えない勢いで、柊斗はハンバーグを口に運んでいく。両頬を膨らませて、本当に美味しそうに食べる姿は見ているだけで気持ちがいい。

「大袈裟。でも、ありがとう。そんなに喜んでもらえると作った甲斐があるよ」
「大袈裟じゃないってば。あー、1週間の疲れが全部吹き飛ぶ~!」

 もぐもぐと咀嚼する彼を見ていると、思わず笑いが漏れてしまう。犬というか、リスというか…。何に例えても可愛い動物になってしまうのは、彼が素直で健気な人だからだろうか。

 そんな彼を見つめならお茶を飲み、何気なく切り出した。

「そういえば、明日から休みだけどさ。どっか行きたいところある? 久しぶりに遠出でもする?」

 社会人になってからというもの、お互いの休みが合ってもどちらかが疲れて寝ていたりで、デートらしいデートがまともにできていなかった。
 
 柊斗はアクティブでアウトドアな性格。
 対して私は控えめでインドアな性格。
 
 正反対ではあるが、相手に合わせることだってできる。お互いに尊重し合うからこそ長続きするというものだ。
 今回は、私が疲れ切っている柊斗に合わせる番だろう。

「たまには柊斗の好きなテーマパークとか、ショッピングモールとかさ。好きな所に行こうよ」 

 しかし柊斗はスプーンを持ったまま、動きをピタリと止めた。何か気に入らなかったのかと顔を覗き込めば、何か言いにくそうに口をもごもごと動かした。
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