目と口は同じぐらいにものを言う
 お風呂から上がり、お互いにパジャマ姿になってベッドに入った。
 あとは電気を消して寝るだけというそのタイミングで、私の横にいる大型犬がさっそく本領を発揮し始めた。

「ちーなーつー、もう限界。いちゃいちゃしよ?」

 ふにゃふにゃとした声と一緒に柊斗が私の胸元に顔を埋めてすりすりと擦りつけてきた。シャンプーの心地よい香りが鼻腔をくすぐる。甘える時の彼は、本当に自分の大きな身体のサイズを忘れているとしか思えない。

「1週間よく我慢したわね」

 私はベッドのヘッドボードに背を預けたまま、彼の柔らかい髪を優しく撫でて受け止める。柊斗は嬉しそうに喉を鳴らすと、私の腰をぎゅっと抱きしめ、ゆっくりと顔を上げてきた。

 熱を孕んで潤んだ瞳。
 その視線が私の唇を捉える。

「……ん」

 重なったのは、待ち焦がれていたお互いの体温。
 柊斗の柔らかい唇が、私の唇をそっと確かめるように何度も食む。優しく甘く、お互いの欲を埋め合わせるような口づけ。

 けれど、どれだけキスが深くなっても、私は頑なに『目』を閉じなかった。
 すぐ目の前にある柊斗の長い睫毛。キスの最中、恍惚に揺れる彼の綺麗な瞳。

 それを1秒たりとも見逃したくなくて、私は至近距離で彼の目を見つめ続けた。

 すると、視線に気づいた柊斗が、たまらずといった様子で一度唇を離す。彼の顔は、すでに耳の裏まで真っ赤に染まっていた。
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