ただいま緊急で婚約破棄を望んでいます!
「それはあまり良い話ではないが、怪我がないのなら問題ない。もう二度としないように。彼女はこの国の安寧のために異世界より居らした存在なのだから」
子どもを窘めるように頭を撫でられ、私はまた慌てた。階段落とすって、大概な嫌がらせと思ってたのに! あくまで私はですけどね!
「……! それに、私はセイラ様が乗るはずの馬車の車輪に、細工しました!」
……どう!?
一歩間違えたら人が死ぬようなことだって、既にしてしまっているのだ!
得意そうに言った私に、クリス様は慎重な様子で尋ねた。
「それは、実際に、事故があったのか? 僕はまだ報告は聞いていないが」
「いえ。馬車が出発する前に目視で気が付かれて、すぐに車輪を取り替えられていました」
そうなのだ。悪役令嬢アンネローゼは変なところでプライドが高く、誰かに頼むということが出来ずに、自分で細工してしまったために、あまりに素人な細工過ぎて御者へすぐにバレてしまっていた……!
なんだか、可愛いところのある可愛い悪役令嬢アンネローゼ。ええ。それって、私のことだけど。