ただいま緊急で婚約破棄を望んでいます!
「誰が何を言おうと、被害者に実害がないのだから、なんの問題もない。ただこうして自白したし、僕の立場からは、反省は必要だと思う。なので、この件に関しては後日、反省文を提出してくれ」

 問題がない……罪がない?!

 だから、クリス様は私とは婚約破棄出来ないって、そういうこと?!

「そっ……そんな……」

 どどど! どうしよう~! 本当にこれ以外の嫌がらせが出来ていない! 出来ていないのよ! だって、まだゲームは開始されたばかりだから!

 私は時計を見て、暗く絶望的な気持ちになった。

 いろいろと話していたら、もう十分を切ろうとしている……ああ。どうにかして、クリス様に婚約破棄して貰わないと……私は死んでしまうのに!

「とにかく、いきなり……婚約破棄とはなんなんだ。幼い頃から続くアンネローゼとの婚約を、破棄せざるを得ない何らかの不都合は、現在存在しない。よって、僕は君と婚約破棄はしない。だが、そんなことを言い出したからには、何かあったのではないか? 詳しく話を聞いてやりたいが、時間も遅いし、君も興奮しているようだ……また、日を改めないか」

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