ただいま緊急で婚約破棄を望んでいます!
「君が予定もなく、僕を訪ねてくるなど珍しいな……何かあったのか?」
そうなのです。アンネローゼは婚約者クリス様に嫌われるのが怖くて、品行方正で完璧な公爵令嬢を演じておりまして、もしかしたら失礼にあたるかもしれないことは、決して出来なかったんですよ!
いえいえ。それも命の危険の前では、なんでもないことだわ。
それに、私が緊急でお願いしなければならないことは、これよ!
「あの、私との婚約破棄をお願いします!」
婚約者らしく私の隣へ座ったクリス様は、口を開けてぽかんとした表情を整った顔に浮かべていた。
あら。こんな顔……初めて見るわね。なんだか、可愛い。
私がまじまじと見つめていたら、彼は数秒後我を取り戻してハッとなり大きく息をついた。
「……断る。婚約者に何も非がないのに、婚約破棄は出来ない。いきなり何を言ってるんだ。アンネローゼ。君らしくもない」
……ええ。私とてわかっております。
クリス様は理想の王子様で、そのような不名誉を、よほどのことがない限り、婚約者に着せるわけにはいかない……そう考えていることも。
そうなのです。アンネローゼは婚約者クリス様に嫌われるのが怖くて、品行方正で完璧な公爵令嬢を演じておりまして、もしかしたら失礼にあたるかもしれないことは、決して出来なかったんですよ!
いえいえ。それも命の危険の前では、なんでもないことだわ。
それに、私が緊急でお願いしなければならないことは、これよ!
「あの、私との婚約破棄をお願いします!」
婚約者らしく私の隣へ座ったクリス様は、口を開けてぽかんとした表情を整った顔に浮かべていた。
あら。こんな顔……初めて見るわね。なんだか、可愛い。
私がまじまじと見つめていたら、彼は数秒後我を取り戻してハッとなり大きく息をついた。
「……断る。婚約者に何も非がないのに、婚約破棄は出来ない。いきなり何を言ってるんだ。アンネローゼ。君らしくもない」
……ええ。私とてわかっております。
クリス様は理想の王子様で、そのような不名誉を、よほどのことがない限り、婚約者に着せるわけにはいかない……そう考えていることも。