一番星にキスをする
「わかるよ。これまでの関係を壊したくないことだよね」
「気まずくなりたくないし、ずっと仲良しでいたいから」

 修はいつものように微笑んだ。

 やっぱり仲間は大事。同期は同期。これからも変わらない関係に戻れたと思い、ホッと胸を撫で下ろした──その時だった。

「でもそれは無理かもしれない」

 聞き間違えかと思って振り返ると、修はフライパンを出して調理をしていた。

「今、何か言った?」
「体の関係を持ったのに、何もなかったようになんて俺は無理かな」

 思っていた返しとは全く違うものが飛んできて、衝撃のあまり動けなくなる。

 修は盛り付けの終わった皿をテーブルに運んでから、硬直したままの聖の手からゴミ袋を回収すると、彼女の隣に腰を下ろした。

「たぶん俺と丸山じゃ、スタートが違うんだよ。丸山はセックスしたから好きになるのは嫌なんでしょ? でも俺はセックスしたから確信が持てたんだ」

 言っている意味がわからず、怪訝な表情で修を睨みつける。

「丸山はそのままでいいよ。そのかわり──」

 修は聖の頬に触れ、不敵な笑みを浮かべた。

「本気で落としにいくから覚悟してて」

 まるで体に電流が走ったかのような衝撃を受け、体がぶるっと震え上がる。

「さっ、朝食食べよっか」

 心臓が激しく音を立てながら打ち付け、聖は食事どころではなくなるくらいの緊張感に包まれていた。
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