色褪せて、着色して。Ⅷ~スノードロップ編~
 バニラが、にっこりと笑って太陽様に言った。
 侍女が「ぶちまける」という言葉を使うのはいかがなものか…と思ったけど。
 太陽様は屍状態なので、こっちに関しては無関心だ。

 遠くから、ざあーという水の音がする。
 窓の外を見ると、バニラが予言した通り、雨が降ってきた。
 太陽様がシャワーを浴びている間、スズメを寮に戻らせておいて、良かった。
 窓は水滴がついている。
 再び視線を太陽様に戻すと。
 太陽様は黙っている。
 バニラは温かい飲み物を用意して。
 テーブルの上に蝋燭を置いて火をつけた。
 ガラスの容器に入った蝋燭からは甘く良い匂いがしてくる。
「もしかして、バニラが作ったの?」
 アロマキャンドルを指さすとバニラは静かに頷いた。
「うわぁ~。本当に何でも作れるんだねえ」
「いえいえ。意外と簡単に作れますわ」
 と、太陽様の前できゃっきゃ言っていると。
「イチゴが…」
 ようやく、太陽様が声を出した。
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