あたし恋をしてるかも【恋愛短編集】
文化祭前日。
バンド練習や教室の企画に追われる毎日も、今日が最後だ。
私と赤星先輩が頑張った甲斐があり、内装は無事に仕上がった。
「お疲れさまです。明日から文化祭頑張りましょう!」
部長の挨拶で、解散の合図が出た。
楽しかった文化祭準備も、終わっちゃうんだ…。
肩を落とす私に、赤星先輩が嬉しい言葉をくれた。
「内装終わったけど、なんか満足できねぇな。ふたりで残って、最後の仕上げしようぜ。」
きっと、この時の私はわかりやすいくらいに笑顔になっていただろう。
「もちろんです!」
私たちは、体力の続く限り内装を続けることにした。
ステージの飾り付けや、客席の整備。照明器具の取り付けも行った。
正直、ふたりでやるにはかなり労力がいる。
「準備って、疲れるけど楽しいよな。」
そんな疲れなんか、先輩の一言で吹っ飛ぶのに。
時刻はすでに、午後7時を回っていた。