あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
「……ねえ、エルニーナ。ちょっとこれ見てくれる? 先代の辺境伯様が魔物討伐に出かけた時の記録なんだけど、こういうのはあなたの方が得意でしょ」
「辺境伯領に出る魔物の出没傾向ね! これがあれば騎士団の人達も助かるかも」

 先代辺境伯が魔物討伐に出た時の日誌には、いつ、どこで、どんな魔物に出会ったかが書かれていた。
 今となっては生息地域が変わっている可能性もあるが、使えるならば使った方がいいだろう。日誌が出てくる度に記録を取り、年代ごとに並べて整理する。

「これは、辺境伯様に渡しましょう。騎士団が討伐から戻ったら、この記録と変化がないか毎回確認すればいいわね」

 エルニーナが魔物の出没傾向を洗い出し、セヴェロがそれを見て必要な物資を揃えていく。必要な時に必要なだけの物資を持っていけるようになり、無駄にしてしまう割合も減っていった。
 仕事がうまく進めば、楽しくなってくる。
 そんな日が続いたある日、エルニーナはドラヴェンの執務室に呼び出された。一緒に呼ばれたソリンと共に向かってみれば、倉庫から駆けつけてきたらしいセヴェロもいる。
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