あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 そして、ドラヴェンの前で難しい顔をしているのは、普段はエルニーナ達とは別の部屋で働いている辺境伯領の役人であるコルネリオだった。
 彼は、役人達の中でも最も長く働いていて、領政に関してはほとんどのことを任されているそうだ。もう六十代なのだが、彼の動作はきびきびとしていて、年齢をまったく感じさせない。
 一本にまとめられた髪の大半が白くなっていることだけが年齢を表している。青い目が放つ光は鋭く、彼がやり手であることを示していた。
 執務室には、会議に使うための大きなテーブルがある。それぞれの席についたところで、ドラヴェンは口を開いた。

「皆、よくやってくれた。仕事もだいぶ落ち着いてきただろう」

 最初にエルニーナが任されたのは、倉庫の整理。それは、セヴェロがやってきてからは彼に引き継いでいる。
 台帳の運用が正常になってからは、ソリンと共にぐちゃぐちゃになっていた書類の整理を行っていた。それも終わりが見え始めている。
 もちろん日常の業務はあるけれど、仕事が落ち着いてきたと言えば落ち着き始めている。

< 108 / 272 >

この作品をシェア

pagetop