あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 このところ、辺境伯領への移住者が増加傾向にあり、以前からの住民との間に問題が発生することが増えているそうだ。

「どのような相談なのですか?」

 エルニーナの発言に、コルネリオはじろりとこちらを向き直った。それから、指を折りながら例を挙げていく。

「移住希望者は仕事と住居だな、それから医療。医師に相談したくとも費用がない者もいるし、薬は高い。それから、壊れた橋の補修もしたいし、商人が活発に出入りしているから、宿泊施設や飲食店では人手が足りなくなっている」

 効率よく魔物の討伐ができるようになったことで、街道の安全が確保された。辺境伯領で行われる商売の大半を担っていたゲオルグが去り、商人達の活動が活発化している。
 商人は、商人だけで動くことはない。商会の従業員を同行させることもあるし、商品を積んだ馬車にはそれぞれ御者が必要だ。護衛に傭兵も雇わねばならない。
 人が活発に行き来するようになれば、宿泊施設や飲食店もにぎわうことになる。それらの要望が、一気に役所に持ち掛けられているらしい。

< 110 / 272 >

この作品をシェア

pagetop