あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
(私達だって、自分に適した部署に配属されているわけではないしね……)

 エルニーナの見たところでは、先ほどの文官二人のうち、一人は商人に向いている。そして、もう一人が向いているのはそれこそ騎士だ。
 二人とも身体を鍛える機会の少ない文官らしく、あまり筋肉はついていなかった。
 騎士に向いている方の一人は、鍛えれば料理人志望だった青年よりもはるかに立派な筋肉がついたのかもしれない。

(なんで、私にはこんな能力があるんだろう……全然、役に立たないのに)

 自分には、他人の才能が見えると気づいたのは、文字が完璧に読めるようになった七歳頃のことだった。
 たまたま、『狩人になりたい』と話していた従兄に目をやったら、彼の頭上に『狩人、樵(きこり)』と出ていたのだ。なんのことだろうと思っていたけれど、成人後に狩人になった彼は、二年で近隣一の狩人と呼ばれるほどの腕前になった。
 従兄の頭上に現れた文字に気づいてからいろいろと試してみたのだが、エルニーナが『この人はどんな能力を持っているのだろう』と強く思った時に見えることが判明した。
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