あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
ちなみに、父は『狩人』、母は『領主、刺(し)繍(しゅう)職人』である。エルニーナの家では、父に代わって母が領主としての仕事を引き受けていたし、母の刺繍の腕前はそれはもう素晴らしいものだった。
領主としての役割を母に任せている父はと言えば、男爵家の騎士団長だ。男爵家で雇っている騎士達と一緒に近隣の森に入っては、魔物を退治するのが父の仕事だ。
退治された魔物の中で食用に適しているものは、男爵家の食卓に上がる。ある意味男爵家の狩人と言えなくもない。
それに気づいてからは、近くに住んでいる人達の頭上を確認するようになった。
弟の頭の上に出ていたのは、『数学者、教師』、妹の頭の上は『領主』、狩人になった従兄の弟は、『踊り子、菓子職人』だった。
ちなみに、エルニーナの頭上は、『役人、針子』だ。
跡取りを弟にするか領主に向いている妹にするかはともかくとして、エルニーナが役人として出仕する道を選んだのには、そんな事情もある。
「ヴァレスク男爵令嬢」
「はいっ」
席につき、各方面から上がってくる人事考査の書類を整理していたら、ステファノから声をかけられた。
領主としての役割を母に任せている父はと言えば、男爵家の騎士団長だ。男爵家で雇っている騎士達と一緒に近隣の森に入っては、魔物を退治するのが父の仕事だ。
退治された魔物の中で食用に適しているものは、男爵家の食卓に上がる。ある意味男爵家の狩人と言えなくもない。
それに気づいてからは、近くに住んでいる人達の頭上を確認するようになった。
弟の頭の上に出ていたのは、『数学者、教師』、妹の頭の上は『領主』、狩人になった従兄の弟は、『踊り子、菓子職人』だった。
ちなみに、エルニーナの頭上は、『役人、針子』だ。
跡取りを弟にするか領主に向いている妹にするかはともかくとして、エルニーナが役人として出仕する道を選んだのには、そんな事情もある。
「ヴァレスク男爵令嬢」
「はいっ」
席につき、各方面から上がってくる人事考査の書類を整理していたら、ステファノから声をかけられた。