あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 皆、列に並び、順番に役人達が話を聞いていく。エルニーナも列に並んでいる人に話を聞き、事前にまとめることであまり待たせないように協力したつもりだった。
 だが、それでも集まった人の数はあまりにも多い。

「子供の薬だけでも先にもらえない?」
「こっちは朝から並んでるんだぞ!」

 待たされている人達の間から再び声があがり始める。

「順番に案内します。ちょっと待ってください!」
「誰が、あんたの話を聞くんだ? 辺境伯家の人間じゃないよな?」
「あなたに私達の苦しみがわかるの?」

 エルニーナの言葉に、反発の声が次々にあがる。
 ここに集まっている人々にとっては、エルニーナは見知らぬ女性だ。しかも若く、経験が少なそうに見える。

(……だめだ、ここでも同じ)

 唇を噛みかけた時だった。

「いいから黙ってエルニーナ嬢の話を聞け! 彼女は優秀な役人だ。王都からわざわざ派遣されてきたんだ。それに、俺と共に領内を歩き回っている。この地のこともある程度把握しているさ」

 声をあげたのは、コルネリオだった。
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