あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 彼の言ってくれた言葉はありがたかったが、一部嘘が混ざっている。王都からわざわざ派遣されてきたのではなく、左遷だ。

「それとも、お前達は俺の目が節穴だとでも言うのか? この人は、辺境伯領のために働くつもりでいるんだぞ」

 コルネリオの言葉が効いたのか、皆、改めて並び始めた。長い間この地で役人として働いてきた彼の顔を知っている人も多い。彼の言葉なら、信頼してもいいと思ったのだろう。

「ありがとうございます、コルネリオさん」

 エルニーナは小さく頭を下げてから、改めて集まっている人達に向き直った。
 大きく深呼吸を一つ。
 そして、もう一度声をあげた。

「ご案内します! 怪我や病気の方、小さなお子さん連れの方は、彼の方へどうぞ!」

 熱を出した子どもを抱えた母親が、真っ先にセヴェロの方に向かった。松葉杖の老人も、周囲の人に支えられながらそちらへ移動する。

「仕事を探している人は、こちらの机に。住まいの相談をしたい人は、こちらの机に並んでください」

 辺境伯領の役人が座っている席を案内する。集まった人達が、そちらに向かって歩き始めた。

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