あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
「やった!」

 ソリンがこちらを振り返って、親指を立てた。エルニーナは額に手を当てた。

「コルネリオさんも、お疲れ様でした。今日は――」
「俺は帰る。くたびれた」

 コルネリオや他の役人達が部屋を出て行こうとしたとき、ソリンは代表者であるコルネリオの腕に手を置いて引き留めた。

「反省会ですよ、反省会。次の相談会のために、忘れないうちに今回の振り返りをしておきたいんです。皆さんも行きましょう。辺境伯領のことをよく知っている皆さんがいてくれないと!」
「反省会なら明日でいいだろう」
「明日になったら忘れちゃいます。鉄は熱いうちに打てって言うでしょう?」
「……お前さん、随分と押しが強いな」
「よく言われます」

 コルネリオは、しばらくソリンの顔を見つめていた。それから、大きくため息をついた。
 ソリンが満面の笑みでエルニーナの方を向いた。二本目の親指が立つ。
 役人達も、参加してくれることになったらしい。


 街の酒場は、屋敷から歩いて少しのところにあった。
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