あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 木造の温かみのある建物で、中に入ると、仕事を終えた人々がすでに何人かくつろいでいた。辺境の酒場だけあって店内に飾り気はないが、活気がある。

「辺境伯様!」

 ドラヴェンが酒場に入った途端、店内の客が驚いた顔をした。だが、すぐに歓声に変わる。中には、相談会に参加していた人もいるようだ。
 大きなテーブルを囲んで、全員が座った。ドラヴェンを中心に、エルニーナ、ソリン、セヴェロ、コルネリオ。隣のテーブルには、役人達も座っている。

「今日は、俺のおごりだ。遠慮なくやってくれ」
「やったあ!」

 ドラヴェンの言葉に、ソリンが真っ先に歓声をあげる。
 まさか、それが目的で彼を誘ったのだろうか。いや、そこまで図々しくはないはずだ。

「今日は皆さんお疲れ様でした! 乾杯!」
「乾杯!」

 なぜかセヴェロが乾杯の音頭を取り、声が重なる。ジョッキがぶつかる音が響いた。役人達も、喜びの声をあげてジョッキを合わせている。
 テーブルの上にはエールの他に、串に刺して焼いた肉だの肉と野菜の煮込みだの味付けが濃い目の料理が並ぶ。軽く炙ったチーズや、ハムなども運ばれてきた。
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