あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
五十代の彼は、どこか神経質なところがあり、手袋を外したことはない。それどころか替えを持ち歩いているようで、いつ見ても彼の手袋は真っ白だ。
表情も、彼の神経質さが出ているようで、常にしかめっ面だ。ちなみに、彼の頭上には『農家、花農家』と出ている。もしかしたら、花に囲まれて生活する方が彼にとっては幸せなのかもしれない。
「午前中の面接者なんだが、これはどういうことだ?」
「あ、それは」
彼が親指と人差し指の二本の指でつまみ上げているのは、午前中面接した青年の書類にエルニーナが付け足したメモだった。騎士団に配属するにしても、厨房ならば彼の希望に添えるのではないかと思ったのである。
そのため、騎士団に送る資料にその旨付け足しておいたのだけれど――。
(どうして、こういう時ばかり、余計なことをするのかしら!)
ステファノは、自分自身の目でしっかり書類を確認することはない。
エルニーナと彼の間の地位についている役人が確認すればそれですむ話だし、いつもだったらエルニーナのメモ書きぐらいは見逃してくれた。
表情も、彼の神経質さが出ているようで、常にしかめっ面だ。ちなみに、彼の頭上には『農家、花農家』と出ている。もしかしたら、花に囲まれて生活する方が彼にとっては幸せなのかもしれない。
「午前中の面接者なんだが、これはどういうことだ?」
「あ、それは」
彼が親指と人差し指の二本の指でつまみ上げているのは、午前中面接した青年の書類にエルニーナが付け足したメモだった。騎士団に配属するにしても、厨房ならば彼の希望に添えるのではないかと思ったのである。
そのため、騎士団に送る資料にその旨付け足しておいたのだけれど――。
(どうして、こういう時ばかり、余計なことをするのかしら!)
ステファノは、自分自身の目でしっかり書類を確認することはない。
エルニーナと彼の間の地位についている役人が確認すればそれですむ話だし、いつもだったらエルニーナのメモ書きぐらいは見逃してくれた。