あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
第五章
収穫の秋も無事に終わり、長い冬がやってきた。
(……今年は、なんだか変ね)
辺境伯の執務室では、火がぽかぽかと焚かれている。室内は暖かいが、窓の外は雪で真っ白だった。
もう、三日も吹雪が降り続いている。辺境伯家では、冬になる前にある程度の食料は備蓄しているが、城下町の人々は十分な食料を用意できているか心配になる。
というのも、辺境伯領の寒さは厳しいが、ここまで冷え込むのは珍しいそうだ。ソリンが再現してくれた辺境伯領の資料にも、ここまでの寒波については書かれていなかった。
セヴェロは、倉庫の備品の管理、別館の役所では、コルネリオをはじめとした役人達が仕事に勤しんでいるだろう。
近頃では、ソリンは辺境伯家の執務室ではなく、役所にいることが多い。何度か行われた相談会の結果から、春になったら行う公共事業を検討中だそうだ。
今この部屋にいるのは、ドラヴェンと執事のジャイル、それから報告書を持ってきたエルニーナだけだった。
「食料の備蓄が足りなくなりそうなのか?」
「そうなんです。避難民の数が想定以上に多くて……魔物の出没件数が増えているので仕方がないと言えばそうなのですが」
(……今年は、なんだか変ね)
辺境伯の執務室では、火がぽかぽかと焚かれている。室内は暖かいが、窓の外は雪で真っ白だった。
もう、三日も吹雪が降り続いている。辺境伯家では、冬になる前にある程度の食料は備蓄しているが、城下町の人々は十分な食料を用意できているか心配になる。
というのも、辺境伯領の寒さは厳しいが、ここまで冷え込むのは珍しいそうだ。ソリンが再現してくれた辺境伯領の資料にも、ここまでの寒波については書かれていなかった。
セヴェロは、倉庫の備品の管理、別館の役所では、コルネリオをはじめとした役人達が仕事に勤しんでいるだろう。
近頃では、ソリンは辺境伯家の執務室ではなく、役所にいることが多い。何度か行われた相談会の結果から、春になったら行う公共事業を検討中だそうだ。
今この部屋にいるのは、ドラヴェンと執事のジャイル、それから報告書を持ってきたエルニーナだけだった。
「食料の備蓄が足りなくなりそうなのか?」
「そうなんです。避難民の数が想定以上に多くて……魔物の出没件数が増えているので仕方がないと言えばそうなのですが」