あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 ここまで雪が多くない隣の領地まで買出しに行くべきかとセヴェロや副騎士団長と話をしているところだ。
 そこへ、コルネリオがやってくる。

「辺境伯様、東の街道が通行不能になったと連絡があった。発注していた品が届かないぞ」

 そう告げるコルネリオの顔には、不安の色があった。エルニーナの始めてみる表情だ。避難民用に用意した食料が届かなければ、大変なことになってしまう。

「下手をすると、十日以上荷が届かないままかもしれませんぞ」

 と、ジャイルが口を挟む。辺境伯家に仕えて長い彼は、過去のこともよく覚えているのだろう。

「……十年前の寒波の時は、避難民はいなかったからぎりぎりなんとかなったが、今回は難しいか……?」
「辺境伯様も覚えておいででしたか。まあ、こんだけ備蓄しておけば、しばらく荷物が届かなくても問題ない気はしますがね」

 口ではそう言っているものの、コルネリオもなにやら不穏な気配を感じているようだ。

(……いつもの年なら問題がないみたいだけれど、今年はどうかしら)

 本当に、何もしないで大丈夫だろうか。

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