あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
「もしかすると、城下町の者も屋敷に避難させることになるかもしれない。コルネリオ、準備しておいてくれ」
「かしこまりました」

 険しい顔のまま、コルネリオはさがっていく。自分の部署に戻って、さっそく取り組むのだろう。

「お屋敷に領民を避難させるのですか?」

 この屋敷がある街だけでも、多数の領民がいる。彼ら全員を屋敷に避難させるのは不可能だ。

「病人とか、妊婦、幼い子供、老人。弱者が中心だ。何か所かに分けて避難できるようにしてある」

 以前から辺境伯家では、寒波が厳しい時には弱い者を優先的に屋敷で保護してきたそうだ。
 普段は使われていない部屋や、役所のある建物、それからエルニーナが来てからは一度も使われていない離れなども開放するらしい。
 今年の寒波はそこまでする必要があると判断されたようだ。

「辺境伯領の倉庫に行って、食料の備蓄と、寝具、薬の在庫を確認してきます。燃料も再確認した方がよさそうですね」
「頼む。きちんと台帳につけているから、問題はないはずだが」
「ええ。時間はかからないと思います」

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