あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 役所ならば、廊下でつながっているのだが、残念ながら倉庫に行くには外に出なければならない。しっかりコートを着て、手袋をして、マフラーもつけてから扉を開く。

「うう、寒い……」

 ぴゅうっと雪交じりの風が吹きつけてきて、エルニーナは顔をしかめた。
 王都では、こんなに雪も風も厳しくなかった。気候の違いをまざまざと感じ取りながら、倉庫へと向かう。

「セヴェロさん、ちょっといい?」

 倉庫の中に入ると、風がないだけでほっとする。

「あれ、エルニーナさん、どうしたの? 何か足りない?」
「いいえ、備蓄を確認に来ただけ。セヴェロさんがちゃんと管理してくれているから、この書類の数と変わってないかだけを確認したいんだけど」

 セヴェロの他、倉庫の担当になっている者達は、ちょうど備蓄を確認しているところだったようだ。
 今の時期にカビが発生することはないだろうが、すぐに使えるかどうか確認しておく必要はある。

「寒くありませんか?」
「身体を動かしているからかな。寒いとは思わないんだ」

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