あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
「そうですね。一週間たっても、街道の閉鎖が解除されなかった時も考えたいので……」

 この地に詳しいコルネリオに聞いたら、今の空模様だとどう考えてもあと五日は吹雪が続くらしい。
 十日以上街道が封鎖されるということは今までなかったため、領民達の間にも不安が広まっているようだ。吹雪の中、役所まで来ては不安を訴える人も出始めた。

「こんなに長い間封鎖されるというのも今までなかったからな。俺にできることもそう多くはないし」

 白いため息を吐き出したドラヴェンの顔にも、疲れの色が滲んでいる。先の展開が見えない今、彼の精神にも負担がかかっているに違いない。

「そうですね。でも、辺境伯様が話を聞くことで皆落ち着きますし、辺境伯様がいらっしゃるから、大きな騒ぎにならないですんでいるんだと思いますよ」
「それなら、いいんだがな」

 そう言うと、彼は部屋を出て行った。その後ろ姿を見送り、エルニーナは小さく息をつく。

(辺境伯様、お休みになれていないんじゃ)

 避難民が出始めてから、ドラヴェンはいつもの仕事に加えて、避難民達が心穏やかに過ごせるよう力を尽くしている。
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