あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 セヴェロやコルネリオと違って動き回っているわけではないから、エルニーナ自身も、食事を制限する方に加わっている。

「これって、強制的な減量よね。こっちに来てから少し太ったから、ちょうどいいわ」

 と、ソリンは笑った。こんな時でも、冗談を言えるほどに彼女は力強い。
 たしかに辺境伯領に来てから、エルニーナも少し太った。何を食べても王都よりおいしいし、ソリンと酒場に呑みに行く回数も増えた。
 動きやすいようにとコルセットをきりきり締め上げるのをやめたのも、太った原因かも。なんて考えていられる間はまだ余裕があるから大丈夫だ。自分にそう言い聞かせる。

「配給の手伝いに行きましょうか」

 胃のあたりがきりきりしているのは、気のせいだ。気のせいに決まっている。

「なあ、配給、少なくないか?」
「今日から、変わったんですよ」

 昼食の時間になって、シチューの配膳を手伝っていたら、避難民から声をかけられた。エルニーナは、壁に貼った紙を指さす。

「街道の閉鎖が解除されなくて、食料の供給が間に合っていないんです。協力をお願いします」

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