あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 エルニーナの言葉に、コルネリオはうなずいた。彼としても、いろいろと気にはなっているのだろう。

「でも、あの紙を見るとドキドキしちゃうわね……」

 ソリンが苦笑いした。
 壁に貼られているのは、残りの食料の量と燃料の量。きちんと見せることで、節約するのも納得してもらえないだろうかという苦し紛れの作戦だ。

「私もドキドキしているわ。来週になっても街道の封鎖が解除されなかったら、もっと減らすことになるでしょうね」

 街の商店では買い物ができるだろうが、ここに避難している人全員にいきわたるだけの食料品は取り扱っていないし、買い占めては、領民が困ることになる。

「なあ、本当にあれしか残りはないのか?」

 と、声をかけてきたのは、別の避難民の男性だ。

「ええ。情報をきちんと開示しておいたら、皆さんも状況がよくわかるでしょう?」
「だが、あんたらが自分達の分だけは別に確保してないって保障はないよな」
「……え?」

 言われて驚いた。そんなこと、まったく考えていなかったから。
 だが、エルニーナもソリンも目を丸くしているのに、相手は勢いづいたようだった。

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