あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
「いや、騎士団からも何人か連れていく。俺ほどではないにしても、雪竜に慣れている者もいる。吹雪がやんだら狩りに行けるよう、何頭か残しておく」

 この人に何を言っても引き止められない。決めた通りに行動する。
 エルニーナにできるのは、できる限り彼らが快適に雪道を進めるように準備することぐらいだろう。

「俺が戻らなかった場合には、王都から後任の者が来る。それまでの間は、コルネリオとエルニーナ嬢で皆をまとめてくれ。ジャイルも協力するように」
「かしこまりました」

 声をそろえたコルネリオとジャイルは丁寧に一礼する。けれど、エルニーナは彼らと同じようにはできなかった。

(……きちんとしないといけないのに)

 覚悟しなければと思っているのに、決めたと思った端から心はぐずぐずに崩れていく。

「……エルニーナ」

 隣に座っていたソリンにうながされ、エルニーナは慌ててドラヴェンの方に向き直った。

「……お任せくださいませ」

 この言葉を口にするのに、こんなに胸が痛くなったことがあっただろうか。
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