あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
第六章
まだ寒さは残っているものの、季節は明らかに春に向かおうとしていた。
領主自ら危険をおかして物資の補給に赴いたこともあり、避難民達も落ち着きを取り戻してくれた。このまま、無事に春を迎えることができそうだ。
(……死者が出なくてよかった)
三ヶ月近くの間、避難民達を辺境伯家で保護していた。風邪をひいたり、ちょっとした擦り傷を作ったりと、医師の出番がなかったとは言わないが、一人の死者も出さずに避難生活を終えることができて、本当によかった。
もう少し気候が安定したら、元の地域に戻れる者は戻り、移住を望む者は辺境伯領で仕事や住居を世話する予定だ。
厳しい冬の間に破損してしまった道や橋などの修理を行わなければだし、新しい集合住宅も作らなければならない。費用は辺境伯家で負担できるが、人員の手配は必要だ。
「エルニーナ様、ちょっと確認してもらえますか?」
執務室にいたエルニーナに声をかけてきたのは、避難民達の中でも世話係のような役目を引き受けている男性だった。移住希望者のできることを聞き取り、資料にまとめたものを持ってきてくれたのだ。
領主自ら危険をおかして物資の補給に赴いたこともあり、避難民達も落ち着きを取り戻してくれた。このまま、無事に春を迎えることができそうだ。
(……死者が出なくてよかった)
三ヶ月近くの間、避難民達を辺境伯家で保護していた。風邪をひいたり、ちょっとした擦り傷を作ったりと、医師の出番がなかったとは言わないが、一人の死者も出さずに避難生活を終えることができて、本当によかった。
もう少し気候が安定したら、元の地域に戻れる者は戻り、移住を望む者は辺境伯領で仕事や住居を世話する予定だ。
厳しい冬の間に破損してしまった道や橋などの修理を行わなければだし、新しい集合住宅も作らなければならない。費用は辺境伯家で負担できるが、人員の手配は必要だ。
「エルニーナ様、ちょっと確認してもらえますか?」
執務室にいたエルニーナに声をかけてきたのは、避難民達の中でも世話係のような役目を引き受けている男性だった。移住希望者のできることを聞き取り、資料にまとめたものを持ってきてくれたのだ。