あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 今度は、セヴェロに何か言いたいことがあるようだ。
 全員、ステファノに呼ばれた場合にはすぐに対応するようにと、あらかじめドラヴェンから言われている。
 エルニーナは、セヴェロをステファノのいる部屋へと呼び入れた。

「ああ、君だったか。ところで、この倉庫の備品台帳について聞かせてもらうぞ」
「はい、なんなりと」

 セヴェロもまた、ステファノについてはいろいろと思うところがあるだろう。だが、穏やかな笑みを浮かべて、ステファノからの問いに答えられるようにしている。

「形式が、王宮で使っているものとは違うようだが」
「はい。辺境伯家で長年使われていたものをそのまま使っています」
「これは、王国全体で統一すべきものだ。なぜ、わざわざ見づらい形式にしているのだ?」
「それは……他の人達は、辺境伯家の形式に慣れているだろうし、それなら慣れている形式にした方がいいかなって」

 ステファノの問いに、セヴェロは困った顔になりながらも正直に答えた。

(私も、そこはあまり気にしてなかったかも……)

 ステファノの言葉を聞きながら、エルニーナはまたもや自分の失敗を悟る。
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