あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 倉庫からの持ち出しを禁止されてしまったら、彼らに食事をさせることができない。

「我慢させておけばいいのではないかね? 我々の食事については気を使わなくていいぞ。こんなこともあろうかと、きちんと準備はしているからな――辺境伯を呼んでもらおうか」

 エルニーナもセヴェロも反論しようとしたけれど、ステファノは聞く耳を持たなかった。
 それどころか、ドラヴェンを呼ぶようにと言いつけると、しっしと手を振る仕草までして見せる始末。

「なんなんだよ、あいつ!」

 扉を出たところで、セヴェロは床を蹴りつけた。ダンッという音は、きっと監査室に残ったステファノの耳にも届いているだろう。

「今日の夕食と明日の朝食ぐらいはどうにかなるだろうけれど……それ以降はどうしよう。明日には倉庫を開けていいってことにはならないだろうし」

 とにかくまずは、ドラヴェンに相談しなくてはならない。

(もっと、私がしっかりしているべきだったのに)

 たしかに、王都とは書類の形式が違っているのは気づいていた。
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