あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
だが、まだ準備期間だし問題はないと考えていた。王都から、わざわざ辺境伯家まで視察が来ると考えてもいなかったし、事情を説明すればわかってくれるだろうと思っていた。
あまりにも自分が甘かったという現実を突きつけられて、打ちのめされそうになる。
(……私、失格だわ)
ここに来た時――役に立てるのが嬉しかった。認めてもらえて、喜びを覚えた。だが、これでは辺境伯領の役に立つどころか足を引っ張っているではないか。
「辺境伯様、パラディーヌ侯爵がお呼びです」
「どうした?」
「……問題がありました。辺境伯様に確認したいようです」
「そうか」
ドラヴェンは気軽に立ち上がったけれど、エルニーナは何も言えなかった。
執務室で待っていてもよかったのに、ドラヴェンが入っていった監査室の前で立ちすくむことしかできない。
中で何を話しているのか、扉を閉じていればエルニーナの耳まで届くことはない。
(……何やってるんだろう)
拳を握りしめて立ち尽くしていたのは、五分にも満たない時間だっただろう。その間にも頭の中ではぐるぐるといろいろな考えが巡っていた。
あまりにも自分が甘かったという現実を突きつけられて、打ちのめされそうになる。
(……私、失格だわ)
ここに来た時――役に立てるのが嬉しかった。認めてもらえて、喜びを覚えた。だが、これでは辺境伯領の役に立つどころか足を引っ張っているではないか。
「辺境伯様、パラディーヌ侯爵がお呼びです」
「どうした?」
「……問題がありました。辺境伯様に確認したいようです」
「そうか」
ドラヴェンは気軽に立ち上がったけれど、エルニーナは何も言えなかった。
執務室で待っていてもよかったのに、ドラヴェンが入っていった監査室の前で立ちすくむことしかできない。
中で何を話しているのか、扉を閉じていればエルニーナの耳まで届くことはない。
(……何やってるんだろう)
拳を握りしめて立ち尽くしていたのは、五分にも満たない時間だっただろう。その間にも頭の中ではぐるぐるといろいろな考えが巡っていた。