あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 だが、今はステファノに対する不満を膨れ上がらせる時でも、ドラヴェンを心配する時でもない。

(食料をどうするか、検討しなくちゃ)

 執務室に戻り、自分のデスクに座ってから考え込む。
 街道の封鎖は解除されているから、食料を買うことはできる。だが、一度に一か所から買い上げてしまえば、領民が買うための品がなくなってしまう。
 となると、あちこち回り、少しずつ買い集めてくるしかないだろうか。

(雪竜を使えば、移動の時間は短縮できるけれど……)

 雪竜に慣れている騎士達にお願いして、買出しに行ってもらうのがいいだろうか。いずれにしても、ドラヴェンが検討材料にできる根拠は用意しておかなければ。
 ステファノのいる執務室からドラヴェンが出てきた時、彼もまた表情を険しくしていた。

「辺境伯様、申し訳ございません! もっと私が自分の仕事に責任を持つべきでした」
「僕もです。台帳は慣れている形式が皆も楽だろうって……」

 ドラヴェンが執務室に戻ってきたところで、エルニーナは真っ先に頭を下げた。セヴェロもエルニーナの隣で頭を下げる。

「……言いがかりだ。二人の責任ではない」

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