あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
「それなら、僕が雪竜をつれて領境の町まで行こうか? あそこまで行けば、うちの商会の支店もあるし」

 セヴェロは雪竜の扱いを騎士団で学んでいるところ。彼なら、商会から必要な品々を買い集めてくることができるかもしれない。

「いや、そこまでしなくていい。俺が許可を出す。夜の間に倉庫から移動させてしまえ」
「ですが」
「供給を止めるわけにはいかないだろう。陛下の命令だと言うが、避難民に食事をさせて何が悪い。責任は、俺がとる」

 コルネリオが制止しようとしたが、そう発言した時のドラヴェンの表情は力強かった。すべての責任は自分がとると決めているらしい。

「それなら……役所の二階に隠しましょうか。避難民が出て空いた部屋がある」

 と、セヴェロ。

「倉庫番だけだと時間が足りないな。こっちからも人を出す。俺もあてにしてくれ」

 と、コルネリオ。

「私とエルニーナは、役所の空き部屋で待機。仕分けしますね」

 ソリンはやる気満々になっている。
 集まっている皆は安堵しているようだったけれど、エルニーナは不安が襲いかかってくるのを自覚していた。皆の前で、この不安は見せてはならない。

< 195 / 272 >

この作品をシェア

pagetop