あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 そう返すステファノの声音は、明らかにドラヴェンを馬鹿にしていた。だが、彼の方はなんとも思っていないようだ。軽く肩をすくめただけ。

「王都から来た者には想像できないかもしれないが、吹雪で商人達が難儀していてな。俺が一番寒さに強いし、雪竜の扱いも雪の中の行動にも慣れている。被害を出さないよう最善の手段を取っただけだ」
「さようでございますか。では、こちらは問題なしといたしましょう」

 この点については、ドラヴェンの言い分を受け入れるようだ。問題なしと手元の帳面に書きつけている。

「不手際を犯してしまい、辺境伯様には大変申し訳ないことをしたと思っております。私の過ちです」
「なに、俺も書類を持ってこいとは言わなかったからな。俺のミスでもあるだろ」

 ステファノの前で、エルニーナは頭を下げる。
 ミスを犯したのは事実だし、こうやってエルニーナが責任を認めているとステファノに見せなくてはならない。

「それと、書類の形式が違うという話だったな」
「王国全土で統一するようにとの命令が昨年出ております」
「その件についてなんだがな、まだ準備期間だろう」
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