あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
「倉庫の管理方法を新しくしたのですから、そのタイミングで切り替えてもよかったでしょう」

 これだけで、国王への反抗心の証明にはならないだろうが、辺境伯家は王家のやり方に反発心を抱いていると思わせることはできる。

「先代の時代に、辺境伯領は辺境伯領のやり方でやっていいと許可が出ている。独自運用が正式に認められているんだ」

 先代の辺境伯は、この地の開拓も同時に行っていた。そのため、いちいち王宮に確認を取らなくてもいいように、正式に独自運用が認められていたらしい。

「だから、本来は変更しなくてもいい。父上と養父――叔父上の間で交わされた書類の写しがこれだ。原本はこれだ」

 ドラヴェンが提出したのは、先代国王が正式に独自運用を認めると記した書類。写しと原本両方が用意されている。

「……この点については、私は存じ上げませんでしたな」

 そう言ったステファノは渋い顔をしていた。彼が若い頃にかわされた書類だから、存在そのものを知らなかったようだ。

「新しい形式に辺境伯領も切り替えていこうと思っている。倉庫の新しい運用方法にもちょうど慣れてきたところだから、問題ないだろう」
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