あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 ドラヴェンは『弟から兄への私信』ではなく、『辺境伯から国王への正式な書状』として、ステファノに先回りして書類を提出した。
 正式な報告書を先に出しておいたから、ステファノも勝手なことはできなくなった。報告書に差異が発生すれば、もう一度ここまで来なければならないかもしれない。

「さようでございますか。では、我々もすぐに出立いたしましょう」
「もう一泊していってはどうだ? 今からの出立では、ここを出てすぐの町で宿泊することになる。明日の朝出立して、大きな町で宿を取った方がいいのでは?」
「いえ、辺境伯様のご厚意はありがたいのですが、一刻も早く王都に戻って報告しなければなりません。すでに、出立の準備は終えておりますので」

 そう言い残したステファノは、荷物を馬車に積み込むなり出立していった。騎士達もほぼほぼ準備を終えていたようで、出立までさほど長い時間はかからなかった。
 ステファノを見送ったあとは、いつもの仕事に戻る。

「終わったわー! ねえ、今夜呑みにいかない? この一週間、ずっとピリピリしてたんだもの」

 真っ先に立ち上がったのは、ソリンだった。
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