あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
「俺はエルニーナ嬢が来てくれて助かっているし……堂々とステファノと渡り合っているのを見ていると……なんと言えばいいんだろうな」

 顎に手をやったドラヴェンは、思案の表情になる。並んで歩きながら、エルニーナはこっそりとその表情を見上げた。

「うん、すごいと思った。そうとしか言えないな……もっといい言葉を見つけられたらよかったんだが」
「充分です、辺境伯様。ありがとうございます」

 ロマンティックな言葉なんて期待していない。期待しては、ダメ。
 けれど、彼はエルニーナの仕事を認めてくれている。
 胸が高鳴るのを、右手を心臓に充てることで誤魔化そうとした。
 大丈夫、余計な感情は抱いたりしない。

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