あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 もちろん、現地に近い地域で暮らしているエルニーナの方が、王都で生活しているティベルより鮮度の高い情報を得られるだろう。
 ――けれど。
 嫌な予感が胸をざわつかせる。

「資料を確認するなら、資料室よ」
「わかった。辺境伯様のところに行ってから、資料室を見てくる」

 エルニーナが立ち上がった時には、ソリンは自分の仕事を始めたところだった。手を上げて、了承の返事をしてくれる。

「辺境伯様、お時間をいただけますか? 王都から連絡を受けたのですが……」

 ドラヴェンの前に、ティベルから来た手紙を置いた。ティベルからドラヴェンにあてての手紙だ。エルニーナに調査を依頼する許可をドラヴェンに求めるものだ。
 こうやって、ドラヴェンにも手紙を書いてくれるあたりしっかりしている。

「魔物討伐を専門に行う、マクシム騎士団か。自分の名前をつけるとは、兄上の好きそうなことだ」

 ドラヴェンの口元を、皮肉気な笑みが横切った。
 自分の名前を騎士団につけるぐらいだから、自己顕示欲は高いのだろう。騎士団が活躍している間は、彼も満足できるはずだ。

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