あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
「うん。エルニーナさんが話を聞きたいだろうから呼んでくれって言われた」
「ありがとう!」

 いったん仕事の手を止めて立ち上がる。
 役所の玄関から外に出てみると、ちょうど運ばれてきた品々を下ろしているところだっ

 それから新しい建物をたくさん建てているので、建材も持ってきてくれたらしい。

「あの……お話を聞かせてください」

 仕事が落ち着いたところを見計らって、エルニーナは声をかけた。
 こちらに笑顔を返してくれたのは、今回の隊商を率いてきた商会である。

「ちょうど出発の時に、私は王都にいたのですが、出陣式はそれはそれは華やかなものでしたよ」

 商会は、隊商を組んで様々な地域を行き来する。エルニーナが頼んだのは、道中、春の討伐に関する情報を集めてもらいたいというものだった。
 商会の者が語るには、出陣式はとても立派なものだったそうだ。
 華やかな飾りをつけた馬達、それにまたがった騎士達も制服を着て笑みを振りまいていたという。国王マクシム自ら広場まで顔を出し、出陣する騎士達を直々に激励したらしい。

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