あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
「でも、どうしてこんなことに……? パラディーヌ侯爵の立てた補給計画は完璧だったと聞いていたのに」

 セヴェロの問いに、騎士は顔を歪ませた。

「完璧? 完璧なはずないだろう、あいつは、団長の発言を無視したんだ!」

 傷の痛みも忘れたかのように、彼は叫んだ。
 ティベルから依頼を受け、エルニーナは辺境伯領で集めた情報をティベルに提供した。エルニーナの情報を受けたティベルは、それをもとに補給計画を立てたようだ。
 だが、ステファノはその補給計画を却下。補給路が一本しかないのを承知で討伐計画を立てたらしい。

「……狩りや野草採取である程度は食料を補充できていた。水も問題なかった。問題は、薬が圧倒的に足りなくなったことだ」

 毒消しや麻痺解消の薬などは、以前から多めに持っていくようにしていた。治癒魔術の使える魔術師がいたとしても、魔力は節約した方がいい。
 だが、ステファノはその薬も不要のものとした。治癒魔術師が治癒すれば、薬代が浮くから、と。
 おまけに、以前エルニーナが作った一覧に基づき、マクシム騎士団ではきちんと武器の手入れを行っていた。
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