あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 王都にいた頃、エルニーナはステファノには逆らえなかった。本人の希望にも資質にも会っていない部署に送られていく人を黙って見送ることしかできなかった。

「私のせい、だ……」
「違う。エルニーナのせいじゃないわ」

 どのぐらいの間、ここにこうしていたのかはわからない。気が付いたら、ソリンが隣に座っていた。

「あなたが、王都で何をやったのか、私ちゃんと知ってるわ。マクシム騎士団のために何をしたのかを。ティベル団長も、それを認めていたでしょう? すべてを壊したのは……あの男よ」

 慰めでしかないのかもしれないけれど、ソリンの言葉が胸にしみこんできた。少しだけ、気が楽になる。

「辺境伯様も出発するわよ。お見送りに行かないと」

 うながされて立ち上がる。今から向かっても、現地に到着するのは夜になってしまう。
 それでも、領民達に被害を出さないようにドラヴェンは戦うのだろう。エルニーナには、勝利を祈ることしかできない。


 ◇ ◇ ◇



(あの人には、何を言っても無駄だった)

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